社員インタビュー
IT産業の構造改革に向けて~2021年 社長年頭挨拶~
Arsagaブログ
平素より、アルサーガパートナーズをご愛顧いただいているお客様、
株主の皆様、パートナー企業の皆様、
従業員のご家族の温かいご支援を賜り、誠にありがとうございます。
2016年に創業した当社は、ソフトウェア受託開発事業で成長を続けてまいりました。
新しい働き方の影響を受け、世界におけるソフトウェア開発環境は、
大きな変化のさなかにあります。
今回は、年始のご挨拶に代えて、
当社が大切にしている想いをあらためてお伝え致します。
目次
アジャイルの時代に向けて
2019年に、ITIL*v4が発行されました。
前バージョンのITILv3/ITIL2011では、
「あらかじめ決められた要件をプロセスとして落とし込み、
その通りにITサービスを提供すればうまくいくであろう」という、
ウォーターフォール型開発手法の考え方が前提にありました。
一方、最新版のITILv4では、アジャイル型開発手法やDevOpsなど、
新しい働き方が推奨されています。
*ITILとは…ITサービスマネジメントの成功例をあつめたベストプラクティス集。
アジャイル(Agile)は、もともと「素早い」「(動きが)敏速な」を意味します。
アジャイル型開発手法とは、開発期間を短いサイクルに分け、
仮説と検証を繰り返しながらプロダクトの価値を高めていく開発方法です。
「決められた要件を確実に満たすプロダクトを、決められた通りに納品すること」に
価値をおくウォーターフォール型開発手法に対し、
「エンドユーザーにとって価値のあるプロダクトをスピーディーに市場へ届けること」を
価値におくのが、アジャイル開発型手法の特徴です。
アジャイル型開発手法は、開発途中でコミュニケーションを取りながら仕様変更に対応可能な点や、
テストで問題が発生しても戻り工数が少ない点において注目されています。
近年ニーズの高まるWeb・スマートフォンアプリの開発にも適しており、
世界各国の現場に取り入れられています。
実際、2020年の情勢下で多くの企業が導入したソフトウェアの多くが、
アジャイル型開発手法で作られています。
当社でも、アジャイル型開発手法を推進しており、
今後もアジャイル型開発の比率を拡大していく所存です。
また、DevOpsからさらに進化した、DevSecOpsという開発運用モデルも取り入れ、
セキュリティもフォローしたアジャイル型開発手法の実現も視野に入れています。
ITゼネコン型ビジネスモデルの限界
世界各国と比べ、日本国内におけるアジャイル型開発手法の普及率は依然として低いままです。
その根本原因は、ITゼネコン型ビジネスモデルによりウォーターフォール型開発手法がとられ、
企業文化の変革が進まないことが挙げられます。
ITゼネコン型ビジネスモデルでは、あらかじめ定義された発注要件に基づき、
SIerと呼ばれる元請け会社が下請け会社へ、
下請け会社が更に孫請け会社に開発を委託する…といった商流で開発が進められます。
こうした商流では、エンジニアとユーザー企業とコミュニケーションを取ることが困難であり、
アジャイル型開発手法は採用できません。
また、ウォーターフォール型開発手法では、
要件を満たすソフトウェアを納品すれば、開発は終了となります。
ソフトウェアのリリース後は、プロダクトの価値が向上することはありません。
結果、要件を満たしたソフトウェアを納品したにもかかわらず、
エンドユーザーにとって使いにくいものとなってしまうこともあります。
コンサルティングのできるソフトウェア開発会社へ
ITゼネコン型のビジネスモデルから脱却するためには、
受託開発会社がコンサルティング機能を持つことが有効です。
ユーザー企業がプロダクトを発注しようとした場合、
コンサルティング会社へ市場調査などを依頼します。
しかし、コストダウンが叫ばれる昨今、
コンサルティング工程へコストを投入することが厳しいプロジェクトも多いのではないでしょうか。
この課題は、受託開発会社がコンサルティング機能をもち、
顧客と直接取引のもと、プロダクト企画、開発、ローンチまで
責任をもってコミットするビジネスモデルが解決します。
受託開発会社が、真の価値を生み出すソフトウェアに向かって、企画段階から関わる。
そして、開発途中で生まれたITエンジニアの自由な発想を活かし、
部分最適をはかり、責任をもってプロダクトローンチまで関わる。
このような取り組みは、実際にソフトウェアをつくる受託開発会社だからこそできることです。
顧客と開発会社が「エンドユーザーにとって価値のあるプロダクトを生み出すこと」を
一番の目的とし、ワンチームとして成果を生み出す体制とすることで、
最終的なプロダクトの価値が高まります。
また、ITエンジニアが、ソフトウェアの開発に上流工程から熱量をもって取り組むことにより、
提案・開発スキルも向上します。
このような循環が多くの現場で発生することで、
国内ITエンジニアの付加価値や技術レベルを引き上げることができます。
そして何より、このビジネスモデルでこそ、
アジャイル型開発手法の概念を存分に生かすことができると考えています。
当社の想い
アルサーガパートナーズは、創業してから一貫して、「ユーザー企業様から直接お仕事を頂き、
下請け会社に開発を委託しないこと」にこだわり、受託開発事業に取り組んでまいりました。
当社では、全ての工程にアジャイル開発手法、DevSecOpsを取り入れることで、
ソフトウェア開発ビジネスのスタートから、
半永久的に続く運用フェーズまで一貫して対応が可能です。
コンサルティング分野においては、リサーチはもとより、サービス企画、
さらにはPLの作成まで網羅できる点を高くご評価いただいております。
まだまだ未熟な点もございますが、大変有難いことに多くのお客様からご愛顧賜り、
売上高、従業員数ともに成長し、現在IPOに向けて準備中です。
私たちは、今後も、コンサルティング・開発・運用全ての工程に責任をもって遂行し、
「お客様の成功にコミットすること」
「エンドユーザーへ直接価値を届けるお手伝いをすること」
に愚直に取り組んでまいります。
会社名の「アルサーガパートナーズ」には、
「技術・芸術の力で、ソフトウェアの企画から開発までの物語を、
パートナーシップの力を以て紡いでいく」という想いが込められています。
2021年もこの想いのもと、さらなる飛躍を遂げて参る所存です。
男子高校生が思い描く「なりたい職業」ランキングに、
YouTuber(2位)、会社経営者・起業家(3位)をおさえて、
ITエンジニアが1位にランクインしています。
当社は、現在の高校生が大人になったときに、
入社したいと思えるようなソフトウェア開発会社となるべく、拡大を続けていきます。
そして、末永く存続できる会社に向けて、体制強化を続けてまいります。
私たちにご期待いただくとともに、
引き続き、皆様方の温かなご支援をお願い申し上げます。
2021年1月4日 アルサーガパートナーズ株式会社
代表取締役社長 CEO/CTO 小俣泰明
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