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今更聞けない「AI」をシニアコンサルタントがわかりやすく解説
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前回、「DXの定義とは?シニアコンサルタントがわかりやすく解説」では、DX(デジタルトランスフォーメーション)という用語の定義について解説しました。今回は、DXを支える技術として代表的な「AI」についてお伝えします。
皆さんは、AIといえばどういったものを思い浮かべるでしょうか。最近では、スポーツやゲーム、文学や映画の世界でAIが活用され、「AIが人間に勝利」「AI vs. 人間」「AIは人間を超えるか」などと言ったフレーズを目にすることが増えてきました。
参考:
羽生九段「勝率94%」で投了のワケ 将棋AIの功罪(テレ朝News)
文学賞「星新一賞」で“AIと作った小説”が初入選 人間以外の作品が応募の4%に増加(ITmedia NEWS)
AI(Artificial Intelligence)とは、人間の知能、特に高度な推論をコンピューター上で実現する手法を言います。
AIという言葉がはじめて使われたのは1956年、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州のダートマスカレッジで行われたダートマス会議です。ダートマス会議は人工知能という学術研究分野を確立した会議のことで、それ以降、人間のように考える機械のことを「AI」、「人工知能」と呼ぶようになりました。
その後何度かブームがあり、2012年以降は第三次AIブームと言われています。
AIについて考える際に軸となるのは3つ、①知能とは何か、②どうやって実現するか、③そのために何が必要か、です。
目次
知能とは何か
知能とは何か。人工知能学会が2019年から作成している「AIマップ」という取り組みがあります。その中でAIに関する課題が6つ示されています。
1 予測・制御系:将来の状態を予測、予測に基づいて機器などを制御
2 認識・推定系:画像や音などを認識、現在・過去の状態を推定
3 生成・対話系:人の話を聞いて答えを返す、新しく画像やデータ、文を生成
4 分析・要約系:データを分析し、要約・見える化
5 設計・デザイン系:条件を満たすように組み合わせを調整して提案
6 共働・信頼形成系:適切な選定基準や順番を生成、調整を行う
出典:人工知能学会「AIマップβ 2.0 (2020年6月版)
この一つ一つが知能の要素だと言えるでしょう。人間の脳はこれら全てを実現できますが、今のAI技術はこれらのうちの一つを実現するために特化して構築する必要があります。
どうやって実現するか
かつては、AIの実現方法が様々検討されてきましたが、21世紀前半においては機械学習に収れんされました。
機械学習は、大量のデータから統計解析によってルールを自動生成する技術で、
①データから特徴を生成する
②特徴からルールを生成する
の2ステップからなります。
ルールは自動生成されますが、特徴は人力で生成する方法と自動で生成する方法の二通りがあります。前者が狭義の機械学習、後者がディープラーニングです。
狭義の機械学習の手法は具体的にはランダムフォレスト、勾配ブースティング法、確率的潜在意味解析法など様々あります。
ディープラーニングはいくつかのノードを組み合わせたネットワーク図で表現されます。組み合わせ方によって様々な手法があり、例えばアシモフ研究所が公開している「ニューラルネットワーク動物園」で見ることができます。
https://www.asimovinstitute.org/author/fjodorvanveen/
課題に応じて最適な手法を選ぶ必要があり、そこがAI研究者やデータサイエンティストの腕の見せ所と言えます。
そのためには何が必要か?
AI、つまり機械学習を実現するには品質の高いデータが大量に必要になります。
たとえば、ディープラーニングを画像中の物体検出へ応用する場合、一般的には数十~数百万枚の正解画像が学習用データとして必要です。
インターネット業界を代表するデジタル・プラットフォーマー(Google、Amazon、Facebook、Apple、LINEなど)は、サービス利用者の日々の投稿や検索ワードから膨大な量のデータを 収集・蓄積・活用し、ビジネスを展開しています。
データを収集、保存するにはコストがかかりますが、そのデータによって作られるAIがコスト以上の価値をもたらすか否かはやってみないと分かりません。数千件レベルであれば中小企業でも用意することが可能ですが、数百万件レベルでは一定の予算規模を持った大企業でないと実現が難しいでしょう。
「投資対効果が明確になる前段階でコストをかける意思決定ができるか」が、AI開発において最初に超えなければならないハードルです。
アルサーガパートナーズでは、AIを利用したDXプロジェクトの推進や意思決定に関するコンサルティングも承っています。
アルサーガパートナーズのAIプロジェクト事例
これまで当社が伴走させて頂いたAIを活用したDXプロジェクトの一部をご紹介します。
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ様「エナッジ®︎」
行動経済学の「ナッジ理論」をヒントにしたエネルギー・マネジメントシステムが「エナッジ®️」です。
AI によるエネルギー需要予測を組み込み、現場の業務負担を減らしながら、より精度が高く、電力使用量の低減が期待できるエネマネシステムを実現します。
アルサーガパートナーズでは、サービスやシステムの開発・運用だけでなく、DXを活用した戦略コンサルティングとして、「DX新規事業コンサルティング」、「DXコンサルティング」、「業務コンサルティング」を提供しています。ご相談・お問い合わせはメールフォーム https://www.arsaga.jp/contact/ からお気軽にどうぞ。