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DXの成功事例とポイントを業界別に解説
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目次
業界別のDX成功事例を紹介
スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)の調査レポート「World Digital Competitiveness Ranking 2021」が発表されました。この調査によるとデジタル競争力ランキングで日本は28位で、他の先進国よりも後れをとっていると言われています。
しかし、新型コロナウイルスの長期化に伴い、新しいビジネスモデルの創出や働き方改革の実現に直面し、日本でもデジタル活用が少しずつ拡大しています。2021年にはデジタル庁が開設され、官民主導によるデジタル活用の流れが今後ますます加速していくと考えられます。
こうしたなか、大企業が発信するデジタル技術を活用した新規事業の立上げと、中小企業でも取り入れやすい価格帯のソリューションが普及することで、海外だけではなく国内でもDX活用の成功事例の共有がされるようになりました。
この記事では、各産業におけるDXの成功事例についてお伝えします。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DXの事例についてお伝えする前に、まずはDXの定義についておさらいしましょう。
世界で初めて「DX」という用語が提唱されたのは2004年、スウェーデンのエリック・ストルターマン教授の論文『 Information Technology and The Good Life 』で、当初の定義は「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」という概念でした。
その後さまざまな変遷があり、日本では2018年に経済産業省が提唱した定義が広く知られています。
「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」
その上でアルサーガパートナーズは、
と定義しています。「デジタル」よりも「トランスフォーメーション」が重要です。組織やステークホルダーの行動がデジタル活用によって変革し、それによって価値がもたらされることがDXであって、単にデジタルツールを入れただけでは「DX」とは呼べません。DXの主体は人や組織であることは多くの有識者が提唱しています。
DXの定義について詳しく知りたい方は、「DXの定義とは?シニアコンサルタントがわかりやすく解説」をご覧ください。
業界別のDX(デジタルトランスフォーメーション)成功事例
自動車業界
トヨタ社長の豊田章男氏が2020年の年頭あいさつで語ったように、自動車メーカーはこれまでの自動車製造会社としてのビジネスモデルから「モビリティのサービスプロバイダ」へと変革しようとしています。その変革を支えるのが「CASE」と呼ばれる概念です。
「CASE」とは、Connected、Autonomous、Shared&Services、Electricの頭文字をとったもので、それぞれ、
Connected…コネクティッド
Autonomous…自動化
Shared&Services…シェアリング
Electric…電動化
を意味しています。
◆UberによるShared&Services
アメリカのウーバー・テクノロジーズは、「CASE」のうちShared&Servicesを取り入れて成功した企業です。日本では「Uber Eats」のイメージが定着した同社ですが、元は「自家用車を持っていて収益化したいAさんと、気軽に移動したいBさん」をつなぐサービスで、タクシーよりも安価に移動できる点や、チップ文化がある国でもチップが任意となる点が好評を博し、サービスを拡大しました。ウーバー・テクノロジーズは世界の900以上の都市圏で利用され、月間のアクティブユーザー数が9300万人と言われています。
ウーバー・テクノロジーズは、日本にも2013年9月に「Uber Japan株式会社」を設立しました。日本でも当初は本国と同様のビジネスモデル展開をしようとしましたが、日本では「白タク行為」にあたるとして国土交通省から指導が入り、進出後間もなくサービスが終了することとなってしまいました。
DXを進める際は、適法性の確認が必要という教訓が得られる事例です。
日本国内でUberはその後、食事配達サービス「Uber Eats」へのピボットやトヨタとの戦略的提携により日本でもサービスを拡大しています。
◆国内大手自動車メーカーによる「Connected」
DX事例としてイメージしやすいのは、「Connected」(コネクテッド)です。スマートフォンやスマートスピーカーなど、ICT端末による情報処理や通信技術を搭載する自動車を、コネクテッドカーと呼びます。コネクテッドカーは車の状態や周囲の道路状況など様々なデータをセンサーにより取得し、ネットワークを介して集積・分析・配信することで、安全性と利便性の面で乗車体験を向上します。
トヨタ自動車では「T‐Connect」、日産自動車は「NissanConnect」、三菱自動車では「MITSUBISHI CONNECT」を展開。各社機能の違いはありますが、スマートフォンでのリモート操作や、カーナビへの最新情報の反映、車内Wi-Fiの実現、コールセンターへのSOSコール機能を搭載しています。
◆ブリヂストンのDXの取り組み
自動車業界のサプライチェーンでは、ブリヂストン株式会社がDXに積極的に取り組んでいます。
ブリヂストンは「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンを掲げ、中期事業計画(2021-2023)において、独自のDXを推進しています。
(出典元:ビジネスモデル変革や競争力強化のためのデジタルトランスフォーメーションを推進する企業として「DX銘柄2021」に2年連続で選定 | 株式会社ブリヂストン)
ブリヂストンは、デジタル技術を結集した高度設計シミュレーション
「Bridgestone MASTERCORE」とDXを促進するための組織体質変革への取り組みが評価され、2021年に「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2021」に2年連続で選定されました。
建設業界
建設業界では、ドローン活用による作業現場の撮影および建設作業への貢献が、「DX」という言葉が提唱される以前から進められています。
また、従業員の高齢化が進む建設業界では、省人化と次世代への技術継承が業界課題として指摘されています。この課題へのアプローチのため、クラウドサービス、第5世代移動通信システム、AI、IoT、ICTなど様々な技術が導入されています。
◆コマツ株式会社「スマートコンストラクション」
建設業界でDXを活用しているのは、コマツ株式会社です。
同社では、建設工事に関わる工程を3次元(3D)データ化し、作業状況を細かく「見える化」し、それらをクラウド上で管理する「スマートコンストラクション」というサービスを2015年に開始し、建設現場の省人化や作業の効率化、安全性の向上を進めてきました。
「スマートコンストラクション」はレンタルすることも可能です。
(出典元:「スマートコンストラクション」のご提供を2015年2月1日より開始 | 建設機械レンタル [コマツレンタル])
さらに同サービスの普及を建設業界全体に進めるため、NTTドコモ、ソニーセミコンダクタソリューションズ、野村総合研究所とともに新会社「EARTHBRAIN(アースブレイン)」を立ち上げ、2021年から事業を開始しました。
また、コマツ株式会社のグループ企業で、石川県にあるコマツ産機では、営業業務改革のために2012年よりSalesforceを導入し、営業業務改革を進めていました。これにより若手営業部員の育成とスキルの平準化という2つの課題解決を進め、帳票出力82%の削減ができ、コロナ禍におけるテレワークへの移行もスムーズに行われています。
(参考:顧客との時間を増やす–コマツ産機がSalesforceで実現した営業改革の要諦 | ZDNet Japan)
◆中小企業における業務改善システム「ANDPAD」の活用
中小企業では、業務改善システムを用いてDXを推進する動きがあります。
たとえば業界シェアNo.1の施行管理アプリ「ANDPAD」では、これまでアナログ管理が主流であった写真・画像管理、工程管理、チャット機能を一つのアプリで実現することができます。
ANDPADを活用することで、同じ人員数で売上を60%達成したり、新人教育のコストカットが大幅に削減できたりした事例があります。
不動産業界
世界の不動産DXをけん引しているのは米国と中国です。米国には1000社以上もの不動産テック企業があり、なかでも「iBuyer」と呼ばれるビジネスモデルが注目されています。
iBuyerとは、AIのアルゴリズムを使い不動産の価格を査定し、不動産の売り手から不動産会社または不動産ポータルサイトが直接買い取るモデルで、売り手と買い手の間に介在する仲介会社を挟まず売買が成立するため、交渉期間の短縮を実現しました。
iBuyer事業でアメリカのシェアを拡大するのはZillow、Opendoor、Redfin、Compassの4社で、この4社を纏めて「ZORC」と呼ばれています。
日本では2021年に公開された「不動産テック カオスマップ」には446サービスが掲載され、国内の他の業界と同様、売上にアプローチするDXと、コストにアプローチするDX、あるいはその両方にアプローチするDXサービスが展開されています。
(出典元:不動産テック カオスマップ|不動産テック協会 – Real Estate Tech Association for Japan)
◆マンション管理:「KURASEL」によるコスト削減
2021年にDX銘柄に指定された三菱地所の取り組みの一つが、マンション管理アプリ「KURASEL」です。
マンション管理の分野は、人材不足を背景にマンション管理会社による管理費用の値上げが顕在化する一方で、住人による自主管理では管理業務の全てを実施することが難しいという問題がありました。
「KURASEL」では、マンション管理業務の中でも、管理組合側で行うことで効率が向上する「外注会社への支払い業務」「管理費、修繕費の請求業務」「共用部の利用状況の確認」などを、パソコンやスマートフォンの画面から簡単に行うことができます。
首都圏を中心に、全国のマンション管理組合で導入が進んでいます。KURASELを導入し、外注会社への業務委託と、自主管理を効果的に組み合わせることで、年間約100万円のコストダウンを実現できた事例もあります。
アルサーガパートナーズは、「KURASEL」の開発パートナーとして、要件定義、UX・UI開発、システム開発、Webサイトリニューアルをお手伝いしました。
「KURASEL」の開発事例をもっと読む
https://www.arsaga.jp/work/kurasel/
◆住宅販売:「sumune for LIVIO」による住宅販売のワンストップ化
日本の住宅販売分野のDX活用で成功したのが、2021年に日鉄興和不動産株式会社の「sumune for LIVIO」です。
これまで住宅販売の分野では、IoT、ITシステム活用による接客フローのデジタル化が進む一方で、時間や場所を選ばない購入サービスが展開されていないことなど、顧客の購入利便性に課題がありました。こうした中、「sumune for LIVIO」は物件情報の閲覧・検討に加え、マンションの購入にあたって必要な申し込み手続きや住宅ローン手続き、契約手続きを、ワンストップかつシームレスに提供することで、オンラインで全ての購入手続きが完了するサービスです。
住宅販売分野ではオンラインで売買が完結するサービスは非常に珍しいとしてメディアにも取り上げられ、ローンチ後売買契約が成立しており、国内においてあたらしい形の住宅購入体験の創出に成功しています。
アルサーガパートナーズは、「sumune for LIVIO」の開発パートナーとして、コンサルティングとITサービスに伴走しました。
「sumune for LIVIO」の開発事例をもっと読む
https://www.arsaga.jp/works/sumune-for-livio/
◆不動産管理:「WealthParkビジネス」による業務効率化
不動産業界では、紙媒体による業務フローの脱却や離職率の低下が業界課題として挙げられており、BtoB領域では仲介・管理業務支援/価格査定系市場の伸長が期待されています。
(出典元:不動産テック市場に関する調査を実施(2021年)|矢野経済研究所)
そうした中、市場をけん引するのはWealthPark株式会社による不動産管理会社/オーナー向けアプリサービスとしてシェアNo.1の「WealthParkビジネス」です。
WealthParkビジネスは不動産管理会社と物件オーナー向けのソリューションで、主な機能として(1)収支報告書等の紙媒体の電子送付(2)管理会社と物件オーナーのやりとりの電子化を提供し、業務生産性の効率化を実現します。実際に導入した企業では、業務にかかっていた時間を50%削減できたという実績もあります。
医療業界
従来医療業界では、医療先進国によるDXが業界のデジタル化をけん引してきました。
アメリカでは1990年代から遠隔医療が検討され、46%の患者が遠隔医療の利用経験があるといいます。ドイツでは、ゲッティンゲン大学病院とシーメンス・ヘルシニアーズ社によるプロジェクトでがん治療にAIを利用するプロジェクトが推進されています。
こうした中、日本の医療現場では、医療供給体制の変革や働き方改革の課題に対応するため、デジタル技術が活用されています。日本では、コロナ禍を契機に、
病院・病床・医療スタッフの状況、医療機器・資材の確保状況等を一元的に把握・支援する「G-MIS(新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム)」、地域の感染者に関する情報を共有できる「HER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)」、新型コロナウイルス感染症の感染者と接触した可能性について、通知を受け取れる「COCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)」の開発・運用に着手し、デジタル化を推し進めました。
また隣接領域であるヘルスケア分野でも、ハードウェア起点、ソフトウェア起点のサービスが次々と誕生しています。
◆外国人従業員のヘルスケアをサポートする「WELL ROOM」事例
WELL ROOM(ウェルルーム)株式会社が企画・運営・開発を行う「WELL ROOM」は、日本企業で働く外国人従業員のヘルスケアサポートを目的に、2021年11月にリリースされたBtoBtoE(employee:従業員)向けのWebサービスです。
日本に暮らす外国人が、日本人と同じようにヘルスケアサポートが受けられるように、生活上の課題や不安の解消に向けた支援を行うもので、サービスローンチから1カ月も経たずに複数社が導入し、医療機関でも使用されています。
アルサーガパートナーズはこのプロジェクトに開発パートナーとして参加し、システム開発はもとより、外国人の視点を取り入れたUI・UX構築に貢献しました。
「WELL ROOM」の開発事例をもっと読む
https://www.arsaga.jp/work/well-room/
物流産業
◆ヤマト運輸
物流業界でDXをけん引するのはヤマト運輸です。
ヤマト運輸は、2020年1月に策定した経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」の基本戦略の一つとして、宅急便のデジタルトランスフォーメーション(DX)やECエコシステムの確立など、中長期視点での構造改革を進めています。
ヤマト運輸は、デジタルトランスフォーメーションという言葉が普及する以前、1980年代から情報システムを活用し、ひとつひとつの荷物情報をセールスドライバーが簡単に処理できる仕組みを実現しました。これにより営業所で荷物情報の入力が可能となり、宅配便の追跡システムの基盤が整いました。その後情報システムはアップデートを繰り返し、他の大手宅配便業者もこれに追従しています。
2007年には顧客向けの「クロネコメンバーズ」が誕生。また2019年には「らくらく送り状発行サービス」が誕生し、2020年には「集荷依頼」と「送り状発行依頼」がオンラインでも手軽にできるようになりました。この仕組みにより、送り主は伝票を記入する手間から解放されると同時に、セールスドライバーはその場で端末から送り状を発行できるようになり、待ち時間や手書き伝票の誤読による誤配の可能性の削減にもつながりました。
DX(デジタルトランスフォーメーション)はなぜ必要なのか?
ここまでお伝えしてきたように、国内のさまざまな産業でDXが普及しています。それではなぜ、DXが必要なのでしょうか。
答えは、「企業のステークホルダーがDX対応を求めているから」です。例えば、
株主:DX非対応企業よりDX対応企業の方が平均成長率が高く、株価が高くなる傾向にある。よって、株を所有する企業にはDXに対応して欲しい。
従業員:DX対応することで企業は一人当たり生産性が高くなり、給料が上がり、残業時間が下がる。よって、自分が働く企業にはDXに対応して欲しい。
顧客:DX対応している企業には、顧客である自分の声が直接届き、サービスや商品がより良くなることが期待できる。よって、自分がお金を払う先の企業にはDXに対応して欲しい。
ステークホルダーに選ばれない企業は存続できません。つまり、「企業が存続するためにはDXに取り組まないといけない」のです。問題は、それが「いつか」です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるメリットについて
DX推進のメリットとして、主に以下の4つが挙げられます。
環境変化への適応が可能:デジタル技術の発展により、過去に存在しなかったビジネスが新たに誕生しています。DXによって、劇的に変化する経営環境に対応できるように企業の組織や事業の変革が可能になります。
業務効率の向上:アナログな業務をデジタルで行う、手動で行っていた業務を自動化するなどによって、業務効率は高まります。また、DXによって業務可視化が進めば、重複していた業務を集約するといった副次効果も期待できます。
BCP対応:事前災害や紛争・戦争など企業の存続に係る事態が発生した時、業務が遂行できないと重大な損失を招きます。データやシステムのバックアップによって地理的な補完が可能になるというBCP対応もDXのスコープの一つです。
働き方改革の実現:リモートワークやワーケーション、時短勤務など柔軟な働き方はデジタル時代ならではです。この目的のためにDXに取り組む企業も多いです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるデメリットやよくある課題について
DXを進める課題は主に以下の2つです。
費用対効果が不明瞭:企業のあらゆる活動と同じで、DX推進にはコストがかかります。他方で、メリットを具体的に金銭換算するのは難しいのが現状です。その結果、費用対効果が事前にわからないことが大きなデメリットです。旧来型の意思決定プロセスを持った企業は、費用対効果が示せないプロジェクトを始められないことがあり、結果DXの遅れに繋がっています。
人材不足:DXを実現するにはITに詳しい人材・AIやRPAの経験者・アプリケーションエンジニア・有能なプロジェクトマネージャ・データサイエンティストといった多様な人材が欠かせません。大企業であっても社内にそういった人材が居ることは珍しく、中小企業であれは極めて稀です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるポイント・コツ
DXを進めるコツは、前項でお示しした課題をどう解決するかです。具体的には、
・スモールスタートする
やってみないとDXのメリットが具体的にわからないので、なるべく小規模なプロジェクトから始めます。企業の規模にもよりますが「失っても惜しくない金額」の範囲内で最初のプロジェクトを始めるのが鉄則です。紙の資料をスプレッドシート化して共有する、Excelのマクロを組んで業務を一つ自動化する、紙のタイムカードを電子打刻にする、などなど。無理なくできる、小さな小さなDXから取り組むのです。そして、費用対効果が目に見えてきたら、少しずつ投資額を高めていきましょう。
・外部のスペシャリストを活用する
人材が不足しているので、外部のスペシャリストに頼ります。フルコミットだと費用が嵩んでしまうので、月に数時間アドバイスをもらうところからスタートするのが良いでしょう。スペシャリストから教わったことが一つ、また一つと社内人員に定着すれば、より高度な、あるいは時間のかかることを少しずつ外部に依頼していきます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を支える最新テクノロジーとは?
DXの目的とは「製品やサービス、ビジネスモデルを変革すること」です。顧客がその変革の結果を具体的に感じるためには、何らかの体験が必要です。例えば、商品が届くのに1週間かかっていたのが3日間に縮まる、というのも体験の1つです。体験の実現方法としてARやVRがあります。また、その体験は無から生まれるわけではなく、デジタル化された大量なデータ、つまりビッグデータを必要とします。また、ビッグデータを活用するためにはAIが必要となります。
AI
企業内外にあるデータを用いて、人間の判断や予測を代わりに行うのがAIです。画像認識、文字認識、音声認識、自動翻訳、需要予測、計画自動生成など、事例は多岐にわたります。SFや漫画に出てくる、人とコミュニケーションができるロボットの実現にもAIが欠かせません。
AIについて詳しく知りたい方はこちら:
https://www.arsaga.jp/news/ai-definition-by-consultant
AR
電脳コイルというアニメでは「電脳メガネ」をかけると、電脳世界の情報が現実世界に重ねて表示され操作できます。これが典型的なARです。社会実装の例はまだ多くありませんが、家具の配置イメージを自宅で確認するアプリケーションや、インフラ設備や在庫などの点検支援といったケースがあります。
VR
デジタルで作られた仮想現実の世界に入り込む、という設定の映画やアニメ、小説や漫画は数多くあります。社会実装の例としても、不動産業におけるVR内見、観光業におけるVR観光、介護におけるVRリハビリ、学校におけるVR教育など、様々なジャンルに広がっています。
ビッグデータ
デジタル化の最大のメリットはデータの入手が容易になることです。「データは21世紀の石油」といわれるように、上手く活用すれば高い価値を生みます。DXの文脈でよく登場するデータには以下の様なものが有ります。
顧客データ・業務データ・システムログデータ・センサーデータ・Webデータ・SNSデータ・マルチメディアデータ
アルサーガパートナーズのDX支援について
アルサーガパートナーズでは、サービスやシステムの開発・運用だけでなく、DXを活用した戦略コンサルティングとして、「DX新規事業コンサルティング」、「DXコンサルティング」、「業務コンサルティング」を提供しています。ご相談・お問い合わせはメールフォーム https://www.arsaga.jp/contact/ からお気軽にどうぞ。
(文=山川、松村)