BYOD
読み方: ビーワイオーディ
BYODとは
BYOD(Bring Your Own Device)とは、「自分のデバイスを持ち込む」という意味であり、従業員の私物であるスマートフォンなどの端末を職場内に持ち込んで業務に利用することを指します。
BYOD導入のメリット
■企業側のメリット
・業務効率化&生産性の向上
普段から使い慣れたデバイスを業務に利用できるようになるため、同じ業務においても業務効率化や生産性向上が期待できます。
・端末にかかるコストの削減
企業側が負担する端末の購入・維持費用を削減することができます。
・働き方の多様化に対応
会社の外から社内システムにアクセスできるため、在宅勤務やリモートワークの導入に役立ちます。
■従業員側のメリット
・業務の場所と時間を選ばない
私物の端末を使うことで移動中やスキマ時間を利用しての業務やリモートワークを可能にします。自宅やコワーキングスペースで業務ができれば、時間の有効活用になるなどメリットは多いです。
・複数の端末を持つ必要がなくなる
営業職のような外出の多い従業員に対し、会社用携帯を支給している会社もあります。BYODを導入することにより、会社で私物端末の社用化が認められ複数の端末を持ち歩くことがなくなります。
BYOD導入のデメリット
■企業側のデメリット
・情報セキュリティに不安がある
BYODで私物の端末を使うと、紛失・盗難やデータの持ち出しによる機密情報の漏えいリスクが生じます。また、私物端末のため機能制限などのセキュリティ管理も難しくなります。
・従業員の労働を管理・把握しきれない
時間や場所を問わず業務に関する情報を入手しやすいため、サービス残業の原因となる可能性もあります。また、端末の利用が私用なのか業務用なのかも判別しにくくなるので、労務管理が複雑になります。
・ルールの複雑化・高度化
BYODを安全に利用するには、制度やルールが必要です。しかし、情報セキュリティや業務効率化を考慮すると、ルールの数が増えることになり、ルールが分かりにくいことや、ルールが高度化し過ぎてBYODの利用そのものに影響が出ることもあります。
■従業員のデメリット
・紛失時のリスクが倍増する
私物で業務をすると端末内に私用のデータと業務に関するデータの2種類が入っている場合があるため、紛失時のリスクは倍増します。
・端末代金(修理含む)、通信料金を自己負担する可能性がある
私用と業務利用といった状況になることで、通話や通信にかかる費用が倍増するでしょう。BYODのルールに「費用申請」に関する項目がない場合、さまざまなコストを従業員が自分で負担することになってしまいます。
・社員のプライバシー保護の問題が生じる
BYODを導入する場合、情報セキュリティリスク対策のために、会社が端末の管理ができるアプリケーションをインストールする場合があります。そのアプリケーションを通じて端末利用状況をはじめとする社員のプライベート情報が会社に知られる危険性があります。
BYODのセキュリティ対策
■システム的な対策
BYODのデメリットであるセキュリティリスクの高まりを回避するには、MDM(モバイルデバイス管理)の導入がおすすめです。MDMは、企業のシステム上から各個人端末をリモート制御をすることができるため、セキュリティ面の安全を確保することができます。また、紛失などの際には端末をロックしたりデータ削除したりすることができるので、個人情報漏洩といった点でも安心できます。
■運用面での対策
「人為的なセキュリティリスク」を排除しておくため、個人端末で行ってよい業務の範囲を定め、情報の保管や持ち出しルールを決めます。また、社員に就業時間と認められる時間以外に業務を行わないよう周知したり、MDMシステム上で個人情報を取得したり閲覧したりしない、といった方針を定めることも必要です。
現場の声
「BYODは従業員としても利便性が大きく魅力的です。一方端末紛失時などのセキュリティの問題が残されるため、リモートワイプ機能やリモートロック機能などが存在するMDM/MAMシステムを適切に利用しスマートなデバイスの利用を進めたいですね。 」
関連用語
<執筆・監修>
アルサーガパートナーズ株式会社 DX技術用語集制作チーム
(2023年8月時点)