社員インタビュー
何事も、自分から手を挙げろ。目指すのは優秀なアメーバ
社員インタビュー
欠けている組織だからこそ、やりがいがある。「人をつくるアルサーガ。」連載第76回は、フロントエンドエンジニアの田上さんに話を聞きました。
田上さんは、高校を中退したその日に個人事業主として独立し、エンジニアとして活動してきました。その後、企業へ就職し、フロントエンドエンジニアとしての技術を磨く一方で、インフラやサーバーサイドの技術も身につけたそうです。新たな環境を求め、2022年11月にアルサーガへ入社した田上さんは、アルサーガの第一印象について「カオスな環境だからこそ、さまざまな挑戦ができそうだと思えた」と話します。
今回は、田上さんがアルサーガに入社した背景や、社内でも積極的にいろいろな活動に参加する理由を伺いました。詳しく話を聞いていくと、彼の根底には、若くからさまざまな経験をするなかで培われた揺るぎない仕事の哲学がありました。
目次
「僕は泥水でしか泳げない魚だ」。高校中退からアルサーガ入社までの6年間
――これまでの経歴を教えてください。
僕の根っこから話すと、高校には19歳まで通っていました。この頃は完全にフリーター状態で、高校にもほとんど通わず、日雇いバイトをしながらいつも動き回っていました。足立区のゴミ処理場でおっちゃんたちと一緒に働いたり、コンビニで接客をしたり…。自分が見たこと、やったことがない仕事に出会ったら、全てに「やります!」と返事をしていたぐらいです。
このままでは高校を卒業できないと思ったのが、高校3年生の5月です。GWが過ぎたぐらいのある日の昼、授業中の静かな高校へ登校し、そのまま職員室へ直行。前振りもなく、「退学したいのですが〜」と先生に伝えました。もろもろの手続きを終え、その足で向かったのは地元の税務署です。時間は16時45分。窓口が閉まる直前の税務署で職員さんに手伝ってもらいながら開業届を作成し、その場で提出しました。税務署を出たところで知り合いに「フリーランスになったのですが、仕事ないですかね?」と電話し、17時5分には初仕事をゲット…。これを1日でやりました(笑)。
――高校中退からフリーランスになるまでの流れが怒涛過ぎますね。その後はどのようなキャリアを歩まれたのですか?
19歳でフリーランスとして働き始めたものの、最低限の収入だけを稼いだら、あとは寝ているというような生活をしていました。元々、友人がゲームサイトを運営していた時にその公式サイトの作成をするなど、Web制作のスキルは持っていたのでそれを活かしながら働いていた感じです。
ただこれだけでは自分が成長しないなと感じ、知り合いの会社へ入社し、フロントエンドエンジニアとして働き始めます。最初はコーダーとして働き、徐々に業務の幅を広げインフラ・情シスなどの業務にも取り組んでいきました。WordPress、Zabbixなどのツールも扱い、スキルと経験を重ねていきました。25歳になり、アルサーガへ転職しました。
――アルサーガに入社を決めた理由を教えてください。
当時のアルサーガがカオスな環境だと思ったからです。情報収集のために会社の公式サイトや関係者のインタビューを全て読んだのですが、アルサーガは「良い意味でぐちゃぐちゃしている会社だな」という印象を受けました。僕は自分のことを、泥水でしか泳げない魚だと思っています。つまり、自分はカオスな環境でしか生きていないなと感じているからこそ、アルサーガは合っているなと感じたんです。
会社として、しっかり利益を出していることは魅力の1つでした。当時のアルサーガはシリーズBあたりでしたが、この時の従業員数は300人程度でした。このように企業規模のバランスが取れていてカオスさもあるこの環境であれば、適切な報酬を受け取りつつ、足りない部分を自分が埋めながら働けると、入社を決めました。
――カオスな環境に飛び込むことに不安はありませんでしたか?
もし合わなかったら、違う環境を探せばいいだけですから。何より、仕事は足りないものを足りさせることだと僕は考えています。欠けている組織だからこそ、やりがいがあるんです。あと、最終面接のときに「僕より優秀な人はいますか?」と面接を担当していた執行役員の星野さんに咄嗟に質問したところ、「多分、いるよ」と言われて安心した記憶もあり、不安はありませんでした。
職種による縛りがないからこそ、何にでも関われるチャンスがある
――田上さんの活躍は多方面で感じていますが、入社から現在まで、どのような業務を経験されましたか?
最初に携わった案件では、Webフロントエンドエンジニアとして業務に当たっていました。この仕事と並行し、採用業務や見積作成業務などにも自分から手を挙げて参加していきました。それから半年間は、GPT関連の仕事に携わります。開発チームの初期メンバーとしてSaaS版のサービスを2週間でリリースしたり、PM(プロジェクトマネージャー)として30〜40名のジュニアエンジニアを率いたり。周囲からは「GPTの謎の人」と言われていました(笑)。
現在はフロントエンドが主戦場です。いろいろな技術相談を受けたり、官公庁向けの提案資料を作成したり、ときにはヒアリングシートを作ることもあります。会議のファシリテーターとして呼ばれることもしばしば。技術範囲としてはサーバーサイドの対応もしますし、インフラを扱うこともあります。コンサル業務以外は携わってきたと思います。
――なぜそこまで、自分から手を上げるんですか?
入社当初から、アルサーガの欠けている部分が気になっていて。何かしらの事情があったり、プロジェクトの都合で埋めていなかったりするのかなと様子をみていたのですが、6〜7割はメンバーすらその欠けに気がついていないのだと気がつきました。僕、家は汚いんですが、仕事机は綺麗にしたいタイプなんです。中途半端なことは気持ち悪いし、言いたいことを言えないほうがもっと気持ち悪いなって。だから自分ができるかもと思ったら、ほどほどにとはいえ、やるべきことは全てやろうというスタンスです。
アルサーガはロールによる縛りがないのも大きいですね。もちろん周囲には「僕がやっていいんですよね?」と確認をとりながら進めていますよ(笑)。何より、自分が取り組んだことのないことをやるのは楽しいじゃないですか。規模の大きな会社や組織への提案や採用業務など、会社に所属しているからこそできると思います。
――田上さんは、よく社内イベントにも参加していますよね。先日行われた展示会にもメンバーの1人としてお手伝いに来てくださいましたよね。
参加しない理由がないんですよ。カジュアルに参加できる場が用意されているのは、会社に所属しているからこそ。例えば、社内向けのライトニングトークイベント「Taste of Tech」(通称:TOT)には入社後すぐに参加しました。開発に取り組みつつ、皆の前で発表ができるイベントということもあり、社内の多くの人に僕を知ってもらういい機会になるかなって。
また展示会のような場に参加するのも、実際にお客様となる方々と触れ合えるからです。お客様から自社サービスがどのように見られているかを知る機会にもなりますし、テクニカルな質問があったとしてもエンジニアの目線からお答えできれば、サービスを理解していただくきっかけにもなります。
――そこまで考えていただきありがとうございます。実際にTOT*で発表していた「ぼくらの天文計算」について簡単に教えてください。
今回のTOTでは、「等身大タイメイさん人形が月面に到達するためには、時速何キロが必要なのか?」について話しました。僕は雑学やうんちくが大好きなのですが、ちょうどTOTイベントが行われていた時期は、日本製の衛星に関するニュースで盛り上がっていたので「衛星」をテーマにしたんです。
*TOT(Taste of Tech):社内のLTイベント
何より、入社して日が浅かったので、僕の技術の話をしても仕方がないなと思って。そのためTOTでは、自分の紹介も絡めて話せるように構成を考えました。計算などを入れてエンジニアチックにしつつ、スライドの最後にはJAXAに募金するリンクを入れてみたり。「この会社の社長はネタにできるぞ」と思ったので、しっかりとネタにさせてもらいました(笑)。周囲からフィードバックをもらいつつ話しができたので非常に面白かったです。
(第10回アルサーガLTイベント「Taste of Tech」に登壇する田上さん)
――すごいですね。私なら未熟だからと躊躇してしまいそうです。
そんなことを言ったら、僕も未熟ですからね。エンジニアとして未熟であることと、話すことが未熟であることは違いますよ。とはいえ、入社後に自分が働きやすくする意味でも、生きやすい場は早めに作りたいなと。そのためにも入社後にすぐ社内イベントに参加し、最初のうちに顔を覚えてもらうことに全振りすべきだと僕は思います。フリーランスとして働くなかで、お客様に初回から自分を面白がってもらうことでその後の仕事につながった経験がありました。それは会社でも同じで、自分をどのようにブランディングするのかはエンジニアにこそ大事な要素だと思います。
肩書きは何だっていい。殻から飛び出し、いろいろと挑戦しよう!
――入社から1年が経過しましたが、改めてアルサーガのどんな点に魅力を感じていますか?
やろうと思えば何でもやれるという点に魅力を感じています。仕事を増やす分にはいい会社です。あと、お互いに行動や考えの方向性が違ったとしても、「こんな方向に動いてるんだね」とフラットに見てくれる環境があります。
――フロントエンドDiv.の魅力もぜひ教えてください!
飲み会が好きな人が多く、カジュアルに話が聞きやすいと思います。技術力も高い人が多くて、業界標準よりも少し上というのが僕の印象です。フロントエンドは最新のトレンドを追い続けることが職業として求められるため、性格的にも外交的で接しやすい人が多いですね。
――フロントエンドエンジニアのなかでも、どのような人がこれからのアルサーガに向いていると思いますか?
アルサーガは拡大期だからこそ、Web開発の案件を獲得していく時期に入っていると思います。フロントエンドエンジニアががっつりBtoC向けのサービスに関わっていく時期だとも思っていて。ある意味で、フロントエンドという殻から飛び出していける人が今のアルサーガには向いているかもしれません。反対に1点目線の人だと辛いかもしれません。この会社にはさまざまな案件があり、コンサルから開発まで一気通貫でできる環境だからこそ、自分で広げていく方が合っていると思います。
――今後、アルサーガで挑戦したいことを教えてください。
少し前まで、自分は何者なんだろうと悩んでいました。フロントエンドのつもりで入社したはずなのに、いつの間にか肩書きが開発PMになったことで、自分は何なのだろうと考えていたんです。ただ突き詰めていくなかで、「何でもやるマン」でいいじゃんと思えました。貫いた結果、何かになるのかもしれないし、何にもならないかもしれないけど、僕にできることがあるのなら、それをやろうって。
アルサーガは、何もかもが足りていないからこそ、何でもできる環境があります。役割のなかに閉じこもるのではなく、役割を増やしていくことで何でもできるようになります。ただ僕のように、時々何者かが分からなくなるので注意は必要ですけど(笑)。
――最後にアルサーガへ入社したい人にメッセージをお願いします。
僕は会社が拡大していっても、引き続き欠けが補える人になれるような働きをしていきたいと思っています。ある意味で、「優秀なアメーバ」を目指していきたいです。
ゲームやビジネスでよく見られるスキルマップは、多角形や円形の形をしており、「これは得意だけど、これが苦手」「コードは得意だけど、コミュニケーションが苦手」といった具合に、個々の能力や弱点が明確に分かれています。一方でアメーバは単細胞生物ですが、細胞の形を変化させて運動します。僕も同様に、状況に応じて柔軟にスキルをグネグネと伸ばしていきたいんですよね。
皆さんにも強いアメーバを目指し、アルサーガに入ってきてほしいです。多方面に手を拡げて、手を100本くらいまで増やして働くのがいいと思います。自分の体が不定形になることに喜びを感じる人にきてほしいですね…。とはいいましたが、やっぱり僕がフロントエンドの仕事をしたいので、皆さんは来ないでください。すみません、冗談です(笑)。
――ありがとうございました!
(取材・編集=広報室 宮崎、文=スギモトアイ)
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