プレスリリース
【イベントレポート】CIO賢人倶楽部の生成AI公開セミナーに代表小俣が登壇
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〜生成AI活用元年 ビジネスは、社会は、どう変わるか?〜
企業のDXを促進するアルサーガパートナーズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 /CEO・CTO:小俣泰明、以下「アルサーガパートナーズ」)の代表小俣は、2024年6月4日(火)、CIO賢人倶楽部とPwCコンサルティング合同会社が共催する生成AIに関する公開セミナーに登壇しました。セミナーの最後には、登壇者の株式会社クレディセゾン 小野 和俊氏、PwCコンサルティング合同会社 三善 心平氏、日清食品ホールディングス株式会社 成田 敏博氏、パーソルホールディングス株式会社 朝比奈 ゆり子氏、CIO賢人倶楽部 会長 木内 里美氏らとパネルディスカッションを行いました。
目次
“生成AIを活用せよ“というお題に対しての向き合い方
~最新動向の技術と最新技術から考える~
⚫︎現在の生成AIのトレンド
まず、生成AIの市場規模と成長予測ついて簡単に説明しました。JEITAが発表した生成AI市場の世界需要額見通しによると、日本の生成AI市場規模は2023年から15倍増の1兆7,774億円に達する見通しです。
今後増加が見込まれる生成AI基盤モデル、生成AI関連アプリケーション、生成AI関連ソリューションサービスの中でも、特に生成AI関連アプリケーションが爆発的に増加すると予測されています。
また、世界の市場においても生成AIは注目されています。世界の生成AI市場規模は、2023年から20倍の2,110億ドルに達すると見込まれています。特に製造、金融、通信・放送分野で著しい成長が予測されています。
⚫︎生成AIへのアプローチ方法とは
今後も流行が続くと予想される生成AIに対して、私たちはどのように向き合っていくべきでしょうか。そのアプローチ方法について、小俣は「RAGの活用」と「個々に合わせたコミュニケーションの設計」が重要だと話しています。
RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは、自然言語処理の分野における技術の一つです。具体的には、情報検索と生成モデルを組み合わせたアプローチのことを指します。
RAGは以下のような方法で機能します。
・情報検索:
まず、質問やクエリに対して関連する情報を外部のデータベースや文書から検索します。これは情報検索エンジンやデータベースクエリによって行われます。
・生成モデル:
次に、検索された情報を基にして、生成モデルが回答を生成します。生成モデルは検索された情報を入力として受け取り、質問に対する自然な回答を生成します。
RAGを活用することで、社内外の情報を分析し、即座に回答するFAQシステムや、データベースを参照した文書生成などのソリューションが市場に多く出回っています。。RAGの技術は、特に大規模な知識ベースを持つシステムや、特定の専門知識が必要とされる応答生成において有用です。
⚫︎最新の生成AIを活用したソリューション体験
生成AI市場を取り巻くこれまでの動きを説明した後、最新の生成AIを活用したソリューションを、セミナー視聴者に実際に体験していただきました。
このデモンストレーションでは、「今までに何か熱中したことはありますか」「一番努力したことは何ですか」「今まで最も影響を受けた本や映画は何ですか」などの質問を回答者に投げかけ、それに答えてもらうことでその人に適した職業を提案するサービスが紹介されました。
回答者の答えだけでなく、年齢や表情、話し方なども踏まえて、その人にどんな職種や働き方が適しているかを生成AIが導きました。
⚫︎生成AIを活用せよというお題に対しての向き合い方
最後に、生成AIのこれまでの流れを踏まえ、今後の日本が発展するためには生成AIへの積極的な投資が必要であるという話で締めくくりました。
インターネットの発展以降、OS、ブラウザ、検索エンジン、SNSなどの様々な市場で多くのサービスが競争してきました。日本のデジタル赤字を解消するためにも、今後の主要なプラットフォームとなる生成AIに早期に投資し、より良いサービスを生み出していく必要があります。
生成AIへの投資は業務効率化やコスト削減だけでなく、失われた30年を取り戻すためのIT投資になると小俣は予測しています。アルサーガパートナーズは、そのためのソリューションを研究・開発し、日本のデジタル赤字解消に寄与することを目指しています。
パネルディスカッション
『人の仕事の半分は置き換わると言われる生成AIで人の役割と世の中はどう変わるか?』
パネルディスカッションでは、参加者の皆様からの質問に登壇者が答える、Q&A形式で生成AIに関しての議論をしました。パネルディスカッションは内容を一部抜粋してお伝えします。
Q:生成AIを訪問介護の領域で活用したいが、どのような手法がありますか?
A:
小野氏)生成AIやAIに限らず、コンピュータを活用する際に向き不向きがあります。生成AIは機能的な作業に適していますが、感情的なケアには注意が必要です。訪問介護については、その両面の側面を持っていると思います。手続きや確認などの機能的な部分では非常に役立つでしょう。しかし、「話を聞いてほしい」や「そばにいてほしい」といった感情的なケアは人にしかできない部分になると思うので、その扱いには気をつけなければいけないかもしれませんね。
三善氏)小野さんがおっしゃった機能面に関しては、現時点でも技術的には可能だと思います。一方で情緒的な寄り添いという話においても、一定の効果はあるのではないでしょうか。テレビを一緒に見てくれるロボットなど、シニア層に受け入れられています。共感してくれるAIアプリも人気です。明確な解決方法を提示するのではなく、共感して欲しいだけの時ってありますよね。かなり自然に相槌を打って同調してくれるような生成AIもあるんです。このように、情緒的な面についても、一定の壁を乗り越えられれば、結構受け入れられるのではないかと思っています。
朝比奈氏)数年前に海外で心理カウンセラーサービスが発表され、とても話題になりました。そのサービスの良いところは、エンドレスで話せるということです。人間では相手が難しいほどの長い時間をカウンセリングしてくれるというサービスが、すでに海外では流行していた事実があります。生成AIの良さは、レスポンスの速さにもあります。上司は忙しい時にチャットをすぐ返してくれない、しかし生成AIはすぐ返してくれる、などですね。「今話したい」「今返して欲しい」時には、生成AIはとても活用できるかと思います。介護のあり方も技術の進展と共に変わっていくと思います。
小俣)生成AIは介護を受ける側だけでなく、介護する側にも役立ちます。例えば、外国人介護者のサポートが可能です。そういう方々に対して、生成AIが1on1などを行うことで、言語の障壁をとっぱらって、モチベーションを上げるようなマネジメントができるようになるのではないかと思います。
生成AIがエモーショナルな対話ができるか、という面においては、できると思っています。実際に、AIに恋愛感情を抱いてしまう人がいるというニュースが海外で話題になりました。生成AIを取り込んだ「人(AI)」に対して、人に対して抱くのと同じような感情を抱くような体験ができるようになる日は近いのではないでしょうか。
木内氏)定年退職した高齢者は、人と会話する機会が大きく減少しています。そういう方々に対して、対話型のロボットは大変人気があります。認知症予防にもなりますし、毎日に活力が沸きますよね。リアルタイムで会話ができれば、とてもありがたい存在になると思います。介護には、物理的な介護と精神的な介護の両面があると思います。このロボットのようなソリューションで、精神的な介護はかなり進むと思われます。物理的な介護はまた別の話で、別のテクノロジーが必要になると思います。
Q:AGI(汎用人工知能)やシンギュラリティは実現すると思いますか?するとしたら、いつ頃でしょうか。
木内氏)AIが人間の知性を超えるかというと、それは難しいと思います。知性を超えるのではなく、人間の通常の能力を超えたコンピューター能力を持つテクノロジーが現れる日は、そう遠くはないのではないでしょうか。ただ、それによって人間が知性を失うわけではないし、創造的なものに関しては、AIには難しい点もあるので、人間にうつりかわったり人間を超えたりすることはないと考えます。
小俣)知性を持ったAIというのはいつかはできると思います。部分的なものでいうと、すでに実現しているものもあります。例えば、AIがアメリカの弁護士試験の上位20%の点数をとってしまったという事例があります。一方で、GPTもただデータベースから知識を提供するだけでなく、人間に活用されるための工夫を始めたように思います。士業に関する質問をすると少しぼやかすような回答をするようになったんです。具体的なことを聞くと、「こうだと思います、詳細は専門家にお聞きください」という返答が返ってくるようになりました。生成AIも人間に支持されないと浸透しないということを学んだんですね。
GAIの領域になったとしても、うまく共存できる世の中になっていくと思います。結局この機能も企業がつくっているので、人間に支持されることによって初めて利益が生まれるという仕組みなので。
朝比奈氏)いつになるかは分かりませんが、シンギュラリティと呼ばれた日が来るのはそう遠くはないのではないでしょうか。実際に、知識量に関しては圧倒的に叶わないという事実があります。
意思決定や知識など、我々をサポートしてくれるものはどんどん進化してより便利になっていくと思われます。マルチモーダルになっていくと、その境目がシームレスになっていきます。それが進んでいけばいくほど、我々もGAIを肌で感じるようになるのではないでしょうか。
三善氏)シンギュラリティの定義は様々ですが、部分的にはすでに超えているものも多くあると思います。弁護士の件もそうですが、試験や囲碁将棋などのゲームについても、AIの力が証明されています。何かしらのルールがあり、アウトプットが決まっている定型業務に関しては、人間が完全に解放される日は近いと感じています。
クリエイティブ分野に関しても「完全に人間の世界か」というと断言はできないと私は思います。広範囲なアイデアを提案してくれて、人間がするのは最終的な意思決定だけ、という状況にまで持ち込めているので、クリエイティブな領域についても部分的に得意ではあると思います。
今はどうしても人間がAIを使う側の立場で、タスクレベルのものをAIに任せるという活用範囲に止まっていますが、生成AIでプロセスの全てをAIに任せるという使い方も広まりつつあります。重要なのは、進化し続けている生成AIをどのように社会に解き放つのかです。生成AIを使ってより良い社会を作るために、人間がガバナンス面をしっかり考え、それに伴い生まれる役割をこなしていくべきだと考えています。
小野氏)もともとシンギュラリティとして我々がイメージしていたものはすでに超えてしまっている部分もあると感じています。そもそも、人間が上かAIが上かみたいな観点は捨てた方がいいと考えています。基本的にAIは“Artificial Intelligence”と言われていますが、“Assistive Intelligence”として捉えるべきだというのが私の考えです。検索エンジンにおいても、検索結果の一番上が絶対的に正しいと捉えている人はいないと思います。実際に検索結果のページを複数見て、「これが正解だ」「これは違う」と判断していますよね。生成AIも同じです。
ただ、生成AIは生成するスピードが圧倒的に速いんです。例えばプログラミングをお願いした時に、人間にはできないようなスピードであっという間にコードを書いてくれます。このスピード感については、人間の期待値を超えた圧倒的な成果をあげています。しかし、生成されたコードの中身を見てみると、「こうしがちなんだけど、そうじゃなくて…」というものも多いんです。生成されたものの価値は、依頼する人間のスキル差によっても変わってきます。つまり、人間が上かAIが上か、というような発想ではなく、Assistiveにどれだけうまく使えるかの方が重要になってくると思います。
■アルサーガパートナーズ株式会社 について
アルサーガパートナーズは、成長し続ける流行の発信地“渋谷”に拠点を置く総合ファームです。「日本のDXを世界で誇れる産業へ」をビジョンに掲げ、DXサービスをワンストップで提供するため、コンサルティングからシステム開発、保守・運用までの体制を整えています。「最高品質を最速で」をスローガンに掲げ、お客さまに寄り添いながらビジネスの成功をより確実なものへと導きます。
本社 :東京都渋谷区桜丘町1番1号渋谷サクラステージSHIBUYAタワー18階
熊本支社 :熊本県熊本市南区江越2丁目24-1
福岡支社 :福岡県福岡市中央区天神一丁目10番20号 天神ビジネスセンター7階
代表者 :代表取締役社長 CEO/CTO 小俣泰明
設立日 :2016年1月
資本金 :14億3,470万円(資本準備金等を含む)
従業員数 :465名(SES含む、2024年5月末時点)
事業内容 :ワンストップDXサービス事業
Web :https://www.arsaga.jp