プレスリリース
アルサーガパートナーズ、東京都主催ピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」にて優勝。
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〜蓄積されたヒヤリハットDBを活用し、事故の未然防止に貢献〜
企業のDXを促進するアルサーガパートナーズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 CEO/CTO:小俣泰明、以下「アルサーガパートナーズ」)は、東京都主催のピッチイベント「UPGRADE with TOKYO 第38回 」にて優勝したことをお知らせいたします。
今回のテーマは、「生成AI等とヒヤリハットDBを活用した事故予測等システム・サービス」についての提案です。東京消防庁が収集しているヒヤリハットデータベースを活用し、AI技術を駆使した先進的な事故予防策を提案しました。
右から3番目:弊社伊藤
目次
「UPGRADE with TOKYO」とは
東京都が抱える様々な都政課題を解決するためには、民間から生まれた画期的な製品・サービスを活用することが重要です。そこで東京都では、スタートアップによる都政課題解決に向けた製品等のピッチや、行政機関、VCや企業等との交流の場を創出するイベントを2019年12月から開催しています。都内区市町村の抱える課題も対象としています。
審査の結果、優勝となったスタートアップは、事業の協働等に向けて優先的な交渉を進めることができます。
東京都公式HP:https://upgrade-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/
第38回テーマ『生成AI等とヒヤリハットDBを活用した事故予測等システム・サービス』
東京消防庁では、事故の未然防止を目的として、令和6年度から、消防活動中や防災訓練中などの消防業務全般に係るヒヤリハット情報について組織統一的に収集・活用する体制を構築していました。しかし、収集した膨大な量のヒヤリハット情報を事故の未然防止対策に有効活用するには、職員が手作業で多角的に分析しなければならず、効率化が進まないという課題に直面しています。
そこで、現在の取り組みを形骸化させることなく効果的に推進するため、収集したヒヤリハット情報等に生成AI等の先端技術を導入し、多角的かつ効率的な解析・分析を行うとともに事故の未然防止対策に活用することができるシステム・サービスを募集しました。
アルサーガパートナーズの提案内容
東京消防庁が抱える課題として、「情報収集・格納方法」や「蓄積情報の利活用方法」があり、ヒヤリハット情報の利活用において目的とした効果を得られていない状況でした。
その課題に対し、アルサーガパートナーズは、「簡単に情報が登録ができる」「蓄積された情報を必要な時に必要な形式で活用できる」という仕組みを提案しました。
ヒヤリハットDB活用において目指す未来
現在、ヒヤリハットは個人の知識として、個人がその場で発生したヒヤリハットを記憶し、類似の事例が発生した際にその記憶を呼び起こすという形で活用されています。
それに対し、今回の提案では、ヒヤリハットデータベースを構築し、他者の情報や記憶を活用することで、第三者のヒヤリハットへの貢献を目指す新たな試みを行います。これにより、個人の知識を集合知へと進化させることを目指しています。
当社としては、将来的にはヒヤリハットを社会的なインフラとして社会全体で共有し、たとえば東京都民向けのヒヤリハットアプリなど、さらなる発展を遂げることを考えています。
今後、ヒヤリハットを社会的知識と位置づけ、多様なリスクに対応するためには、今回提案するヒヤリハットデータベースの共有が重要な基盤となると考えています。
提案機能1. 日報やMTGからヒヤリハット情報の自動登録
1つ目の機能は、日報やミーティングのデータからヒヤリハット情報を自動的に抽出するシステムの導入に関するものです。このシステムでは、日報やミーティング内容を文字起こしをし、その内容からヒヤリハットに該当する情報をAIが自動で抽出します。
職員はアプリを起動し、ミーティングや日報を通常通りに行うだけで、データベースにヒヤリハット情報を蓄積することができます。
提案機能2. 様々な状況から過去事例や事故予測を出力する
2つ目の機能は、職員の情報、天候、場所などのデータを入力することにより、ヒヤリハットデータベースを活用して、起こりうるヒヤリハット事例を検索する仕組みです。このシステムは、過去に発生したヒヤリハット事例の中から、関連性の高いものを優先的に検索し、表示します。
この機能は、事故を未然に防ぐための有効な手段として活用することができます。
提案機能3. ヒヤリハット情報の自動分類・分析システム
3つ目の機能は、収集されたヒヤリハット事例を様々な観点から自動的に分析し、可視化するシステムです。
このシステムにより、「本日発生し得るヒヤリハット事例は何か」という予測を確認し、それに基づいて効果的なヒヤリハット対策を講じることが可能となります。
提案機能4. 動画生成AIを用いたヒヤリハット再現動画
4つ目の機能は、頻繁に発生するヒヤリハット事例に関する情報を多くの隊員に周知するためのシステムです。蓄積されたヒヤリハットデータベースを基に、動画生成AIを活用して、危険性に関する注意喚起や必要な対策案を提示します。
この機能により、ヒヤリハットの状況を動画で視覚的に確認することができ、隊員のヒヤリハットに対する意識を一層高めることが可能となります。
講評(一部抜粋)
・ヒヤリハットの分析は、災害防止において極めて重要な役割を果たします。ハインリッヒの法則によると、1件の重大事故の背後には29個の軽微な事故があり、そのさらに背後には300件のヒヤリハットが存在すると言われています。したがって、ヒヤリハットの発生から災害に至るまでのメカニズムを詳細に分析し、根本的な防止策を講じることが不可欠です。
300件という膨大な量のヒヤリハットデータを扱う際、人間が全てを把握することは困難であるため、AI技術の活用によるデータベースの構築が重要です。しかし、社会が急速に変化している現代では、過去の災害データだけに依存していては予測できない新たな災害が発生する可能性が高まっています。そのため、過去の災害をそのまま伝えるのではなく、人間の知恵とデータを融合させたサービスを開発することが求められます。
・今回の審査では、「どれだけ現場感を持てるか」が重要視されました。自然災害の研究において、現場との接点を持つことは容易ではありませんが、それこそが課題解決の鍵です。消防におけるヒヤリハットの分析は、特に現場感覚が求められる分野であり、いかに現場に寄り添えるかが大きな価値となります。実際にヒヤリハットを体験し、学ぶ必要がある現場の隊員にとって、ユーザビリティを考慮したソリューションの開発実績が評価されました。
・審査を通じて、技術の実現可能性とその進展速度を考慮に入れることの難しさを改めて感じました。技術の進歩に伴い、半年後や一年後にはさらに高度な提案が可能になるかもしれません。特に、ヒヤリハットを経験する現場の隊員にとって、心に響く提供方法を模索することが重要です。
・東京消防庁の防災に関するヒヤリハット案件は、命に直結する重要な課題であり、そこで得られる経験は他のどこでも得られない貴重なものです。今回のプロジェクトを通じて得られる知見を、東京消防庁のみならず、日本全体で活用できるようなソリューションとして成長させることを期待しています。
・各社ともに独自の強みを活かした魅力的な提案をいただき、最終的な選考は非常に難航しました。優勝したアルサーガパートナーズ株式会社とは、今後、共同で検証およびシステム開発を進めていく予定ですので、引き続きのご協力をお願いいたします。
登壇者:アルサーガパートナーズ株式会社 伊藤伸治のコメント
今回の「UPGRADE with TOKYO 第38回 」ではアルサーガパートナーズの注力分野である生成AIの領域がテーマであり、早期にChatGPT関連アプリケーションの開発に着手した弊社のノウハウ蓄積とそれを活かしたプロジェクト進行を評価頂いたと実感出来てとても嬉しいです。
今後もAIに限らず幅広くIT/DXの力で多くの社会課題の解決に取り組みたいと考えています。
「UPGRADE with TOKYO 第38回」 開催概要
開催日時:2024年7月31日(水)
開催場所:TOKYO UPGRADE SQUARE(新宿区西新宿二丁目6番1号)
主催:東京都
応募テーマ:『生成AI等とヒヤリハットDBを活用した事故予測等システム・サービス』
詳細はこちらをご覧ください。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/06/24/07.html
アルサーガパートナーズ株式会社 について
アルサーガパートナーズは、成長し続ける流行の発信地“渋谷”に拠点を置く総合ファームです。「日本のDXを世界で誇れる産業へ」をビジョンに掲げ、DXサービスをワンストップで提供するため、コンサルティングからシステム開発、保守・運用までの体制を整えています。「最高品質を最速で」をスローガンに掲げ、お客さまに寄り添いながらビジネスの成功をより確実なものへと導きます。
本社 :東京都渋谷区桜丘町1番1号 渋谷サクラステージSHIBUYAタワー18階
熊本支社 :熊本県熊本市南区江越2丁目24-1
福岡支社 :福岡県福岡市中央区天神一丁目10番20号 天神ビジネスセンター7階
代表者 :代表取締役社長 CEO/CTO 小俣泰明
設立日 :2016年1月
資本金 :14億3,470万円(資本準備金等を含む)
従業員数 :469名(SES含む、2024年7月末時点)
事業内容 :ワンストップDXソリューション事業
Web :https://www.arsaga.jp