株式会社ベネッセキャリオス / 介護職・看護職人材のスポット・単発バイトアプリ

         
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サービス概要

株式会社ベネッセキャリオスが提供する「キャリオス1DAY」は、介護・看護業界に特化したスポット・単発バイトアプリです。すぐに人手が必要な事業所と有資格者を結びつけ、急な人員不足や慢性的な人手不足の解消を支援します。

介護業界では深刻な人材不足が続いています。ベネッセグループは、29年間にわたる介護事業の経験を活かし、短期間・短時間で働きたい求職者と人材を求める現場を結ぶ「キャリオス1DAY」を立ち上げました。

アルサーガパートナーズは、介護施設や医療機関、求職者、ベネッセキャリオスが使用するそれぞれのシステム構築からアプリ開発、デザイン制作、保守運用までを一貫して提供しました。

サービス名

キャリオス1DAY
https://corporate.benesse-mcm.jp/careeosu_1day/client/

お客様名

株式会社ベネッセキャリオス

提供内容 要件定義、システム開発、Webアプリ開発、ネイティブアプリ開発、デザイン、保守運用

今回は、「キャリオス1DAY」の構想や企画を手掛けている原田様と能勢様にお話を伺いました。

お話を伺った方

株式会社ベネッセキャリオス
取締役 人財事業本部 本部長
原田 和浩様

株式会社ベネッセスタイルケア
情報基盤本部 システムソリューション2部 副部長
能勢 隆雅様

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(写真左より、株式会社ベネッセキャリオス 原田様、能勢様、アルサーガパートナーズ 中藤)

課題

・競合他社の存在
介護・看護業界の人手不足解消を目的にスポットワーク市場への参入を検討していたが、同業他社が既にサービスをリリースしており、サービス開始を急ぐ必要があった。

・開発会社の選定難航
開発スピードを最優先に進めたいという要望を満たせる開発会社がなかなか見つからなかった。

・アプリ開発の知見不足
ベネッセ介護領域ではスマホアプリ開発実績が無く、スマホアプリ開発の具体的な手順の模索からプロジェクトがスタートした。

課題に対するアルサーガパートナーズの対応

・効率的な人員配置
開発スケジュールに沿って効率よく進めるため、ベストなメンバーをアサインし、MVP開発による作業の最適化を図った

・リアルタイムな連携
開発の現場メンバーが積極的に案件に関与。エンジニアが直接会議に参加し、リアルタイムで課題や進捗状況を共有する体制を構築。

・ワンチームでの協働
毎日の定例MTGの他に、コミュニケーションツールを使い細かな情報を共有。QCD(Quality、Cost、Delivery)のなかでも特にD(サービスリリース時期)を最優先事項としてPJ全体で一蓮托生となれたことで、全体のチームワークが向上し、ワンチームとなることで短納期での高品質アプリを実現

リリース後の成果

・不動の目標達成
不動の目標であった2024年4月20日のリリースを無事達成し、リリース時点で8,000件の求人登録を実現。

・コスト削減の実現
リリースから半年が経過し、企業からは「スポットの人員補充だけでなく、お試し勤務からの採用や、配置人員の見直しでコストダウンにつながった」という評価を獲得。

・採用ミスマッチの解消
スポットワーカーからは「スポットで職場を体験できるので、自分に合った職場を見つけやすくなった」といったポジティブなフィードバックを得ている。

長らく解消されない介護・看護業界の社会課題解決を目指して

――今回開発支援させていただいた「キャリオス1DAY」のサービス内容について簡単に教えてください。

ベネッセキャリオス 原田様(以下、原田様):

「キャリオス1DAY」は、有資格者である介護・看護職に特化したスポットワークのマッチングアプリです。このサービスは、すぐに人手が必要な事業所と、介護・看護の資格を持つ方々を迅速かつ効率的にマッチングすることができます。介護・看護業界において、柔軟な働き方と即戦力の確保を実現することで、慢性的な人材不足という社会問題の解消を目指しています。

「キャリオス1DAY」を利用することで、事業所は「1日だけ」「数時間だけ」といった短期間の募集が可能となり、面接なしで最短翌日からの採用が実現します。

また、計画的なシフト調整が可能となるため、既存スタッフの希望する休日を確保しやすくなり、働きやすさの向上や職場環境の改善にも寄与します。さらに、スポット採用を通じて事業所の雰囲気やスタッフとの相性を確認した上で、リピーターとなった介護職人材を無料で長期採用することも可能です。

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――介護・看護業界が抱える社会課題について、より詳しく教えてください。

原田様:

少子高齢化に伴う介護・看護業界の人材不足が、私たちが解決を目指す課題です。

介護業界では、数年前から人手不足が深刻化しています。少子高齢化により、介護職の需要は年々高まっていますが、それに対して介護職員は減少している状況です。2040年までにはさらに約57万人の人材不足が見込まれています。

こうした背景を踏まえ、スポットで働きたい人と介護現場を結ぶサービスが必要だと考えました。介護業界の大きな社会課題に対し、スポットワークが解決の糸口となり、より多くの人に機会を提供できると確信しています。

ベネッセスタイルケア 能勢様(以下、能勢様):

介護・看護業界全体の課題解決を目指すと同時に、スポットワークは働く方々にとっても大きなメリットがあると考えています。

例えば、介護業界で長く働いてきたものの、ご家庭の事情でフルタイム勤務が難しくなった方が、希望する時間や場所で働ける環境を提供することができます。スポットワークの普及によって、そうした柔軟な働き方が可能になり、多様な働き手を支える基盤になると期待しています。

不動の目標、約半年後のリリースに向けた挑戦

――システム開発に着手する前から課題に感じていたことはありますか?

能勢様:

開発前から感じていた課題は大きく二つありました。一つ目はアプリ開発の期間の短さ、もう一つはベネッセ介護領域ではスマホアプリ開発実績が無く、初のスマホアプリ開発のプロジェクトをスタートした点です。

原田様:

チーム全体、会社全体を含めて、これまでにアプリ開発の経験を持つ人がいない状況でした。右も左も分からない状態でスタートし、作りたいものの夢が膨らみすぎて要件をまとめ切れない、そんな状態でしたね。

能勢様:

開発期間については、約半年間という短期間でリリースするという明確な目標がありました。しかし、いくつかの開発会社にヒアリングしたところ、通常は2年程度の期間を要すると言われたのです。

それでも、先行してリリースされていた競合他社のサービスに遅れを取らないため、何よりもスピードを重視するという強い信念がありました。その信念を理解してもらうために、開発会社に粘り強く説明し、交渉を重ねました。

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――そのような状況下で、アルサーガパートナーズを開発パートナーとして選んでいただいた理由を教えてください。

原田様:

4社ほどに開発の打診をした中で、アルサーガさんだけが私たちの思いに共感し、開発要件を受け入れてくれました。

他社からは「このやり方では成功しない」「部分的な実装なら可能だが、全ては難しい」といった回答が多い中、アルサーガさんとの出会いによって初めて実現への道筋が見えたのです。

アルサーガパートナーズ 中藤(以下、中藤):

依頼内容や短い開発期間を聞いた時は驚きもありましたが、適切な手順で進めれば実現不可能ではないと考えました。ただ、この案件は難易度が高かったため、弊社内でも経験豊富なメンバーをアサインし、効率的に進める体制を整えました。

今回のプロジェクトが成功した要因の一つは、ベネッセキャリオス様が私たちを単なる開発会社としてではなく、「キャリオス1DAY」のチームの一員として迎え入れてくださったことにあると考えています。弊社からも無理なお願いをする場面がありましたが、ベネッセキャリオス様も柔軟に対応してくださり、互いに協力し合えたのが大きかったと思います。

能勢様:

このプロジェクトでは、「4月20日にリリースする」という明確な目標がありました。その目標を達成するために、開発チームとプロジェクトチームが一丸となり、同じゴールを目指して進められたことが成功の鍵だと思っています。

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――アルサーガパートナーズの開発チームに対して抱いていた印象や、開発中の思い出などを教えてください。

原田様:

アルサーガチームもベネッセキャリオスチームも、プライベートも含めてお互いに全てを曝け出して全力をつくしたプロジェクトでした(笑)。時には「なぜできないのか」「ここは何としても対応してほしい」といった忌憚のないやり取りもありましたが、その熱意こそが、不動のリリース目標を達成する原動力になったと感じています。

これからのサービスの拡大に向けても、この全力の姿勢がつながっていくのではないかと期待しています。

能勢様:

特に印象的だったのは、アルサーガのエンジニアの皆さんが積極的にプロジェクトに参加してくれたことです。フロントで対応する中藤さんだけでなく、現場でコードを書いているエンジニアの方々も会議に参加し、現状の課題や要望を即時に共有できた点は非常に助かりました。

また、プロジェクトの”決起会”や”頑張ろう会(時期的にはクリスマス会でしたね(笑))”に多くのアルサーガの皆さんに参加いただき、求職者や介護施設へ良いサービスを提供するんだということを語り合ったこともありました。このような連携のスムーズさや目指す姿のすり合わせが、短期間での開発の成功につながったと思っています。

業界No.1を目指して。介護、看護業界の変革へ

――「キャリオス1DAY」リリース後の成果について教えてください。

原田様:

リリースから半年が経過した現在、登録企業様にも「キャリオス1DAY」の使い方が浸透し、活用の幅が広がっていると実感しています。

ある企業様からは「スポットワーカーさんが想像以上に優秀で、リピート利用しています」という嬉しい声をいただきました。また、スポットワーカーの活用によってコスト削減が実現したという報告もありました。

介護施設における人件費は大きな課題です。スポットワーカーと正規雇用者の業務を明確に分けることで、効率化を図れたとのことです。このようなポジティブな成果は、私たちにとっても非常に励みになります。

能勢様:

このプロジェクトはベネッセ介護カンパニーの組織内の表彰制度にて、全74エントリーのなかから、準グランプリをいただくこともできました。

現場で働くスポットワーカーさんからもポジティブな評価をいただいています。働きたい時間や場所を柔軟に選べるという通常の利用方法に加え、職場体験のような使い方も広がっています。その職場が自分に合っていると感じれば、中途採用で正社員として働くことにつながるケースもあります。

こうした使い方は、採用のミスマッチを防ぎ、介護業界での仕事を楽しいものにするきっかけにもなります。結果として、業界全体にポジティブな循環を生み出すのではないかと期待しています。

――今後、「キャリオス1DAY」でつくっていきたい世界観や長期的な展望について教えてください。

原田様:

スポットワークという考え方自体が一般的になってきたのは、比較的最近のことなのではないかと思っています。そういう意味では、その波に乗り遅れないようにサービスの開発を急いだ私たちの判断は正解だったと思います。

現段階では、「キャリオス1DAY」はまだ発展途上にあります。ユーザー数や企業登録数もさらに伸ばしていく必要がありますが、介護・看護業界におけるスポットワークの可能性は無限大です。

サービスのリリースを経て、いよいよ本格的なスタートを切った今、これからは業界No.1のサービスを目指し、チーム一丸となって必ず成し遂げようという心意気です。

能勢様:

介護業界全体においては、どれだけ裾野を広げられるかが重要だと考えています。現状では、「キャリオス1DAY」は有資格者向けのアプリですが、今後さらに人材を増やしていくためには、無資格者へのアプローチも準備を進めています。

弊社は「介護人材不足の課題解決に日本で最も貢献する企業を目指す」というパーパスを掲げ、業界の底上げに取り組んできました。この長年培ってきた知見とリソースを最大限活用し、介護・看護業界でNo.1を目指していきます。

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アルサーガパートナーズは、開発戦略から実装支援までをワンストップで対応し、お客様のDX戦略を支援しています。実際の対応事例も含めお伝えさせていただきますので、少しでもご興味を持たれましたらこちらからお問い合わせいただけますと幸いです。

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(取材・編集・文=広報室 渡邉、撮影=宮崎)